2021.08, Lemon Sato
八月の終わり。 南青山の朝は、まだ夏のさなかだった。
陽射しは強く、白い壁や植木の葉に、濃い影を落としていた。
人通りの少ない道には、朝の静けさだけが残っていた。
その穏やかさの中で、 彼女の細い輪郭と、ふと落ちる翳りが 妙にこの街に馴染んでいた。